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鋼の包丁の選び方|ステンレスとの違いと硬さの目安は?

鋼の包丁の選び方|ステンレスとの違いと硬さの目安は?

包丁の箱や刃元に書かれている「鋼」や「刃材」の表示は、刃の部分に使われている金属の種類を指しています。

売り場で多いのはステンレス鋼(SUS410系・440系、モリブデンバナジウム鋼などの表示)と炭素鋼(鋼、高炭素鋼、白紙・青紙といった表示)の2タイプで、硬さはHRC(ロックウェル硬さ)という単位で示されます。

やっかいなのは、同じ「ステンレス」という表示でも含まれる炭素量で研ぎやすさと刃持ちが変わることで、表示を読まずに選ぶと、さびに強いはずなのに切れ味が戻らないという食い違いが起きます。

本記事では、包丁鋼の表示が何を指しているのか・鋼材タイプ別の向き不向き・買う前に確認する場所を解説します。

キッチン小物ラボ編集部

キッチン小物ラボ編集部

キッチン小物ラボは、箸やカトラリー、水筒、弁当箱、鍋、包丁、お茶まわりの道具を扱う専門メディアです。扱う範囲は「コンセントを挿さないもの」に絞り、メーカーが公表している寸法・素材・食洗機やIHの対応可否を突き合わせて、サイズの選び分けと買い替えの判断材料を整理しています。

※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。

包丁の鋼(はがね)表示が指しているのは刃の金属の種類

鋼とは、鉄に炭素を加えた合金のことです。

炭素の量が多いほど焼き入れで硬くできるので、刃物には炭素の比率を高めた高炭素鋼が使われます。

ステンレス鋼はその鋼にクロムをおおむね11%以上加えたもので、表面に酸化被膜ができるためさびにくくなっています。

クロムを増やせばさびには強くなりますが、炭素と結びついて組織が変わるので、硬さと研ぎやすさの両方に影響します。

ここで混ざりやすいのが、鋼材名と刃の構造表示です。

「全鋼」は刃の全体が同じ鋼材、「割込」「三層鋼」「ダマスカス」は硬い鋼材を軟らかい鋼材で挟んだ構造を指す表示で、どの鋼材を使っているかは別に書かれています。

構造表示だけを見ても、さびるのかどうかも研ぎやすいのかどうかも分かりません。

硬さのHRCは、同じ鋼材でも熱処理の条件で変わる数値です。

家庭用の包丁はおおむねHRC56〜61あたりに収まり、数字が大きいほど刃先を鋭く保ちやすい反面、横方向の力に弱く、欠けやすくなります。

硬さは切れ味の指標ではなく、刃持ちと欠けやすさのバランスを示す数値だと考えてください。

包丁に使われる鋼材は3タイプに分かれる

タイプ表示の例さびへの強さ研ぎと刃持ち
ステンレス鋼ステンレス刃物鋼、SUS410系・440系、モリブデンバナジウム鋼強い(使用後に水気を拭く程度)研ぎやすさは鋼材差が大きく、刃持ちは中程度
炭素鋼鋼、高炭素鋼、白紙・青紙弱い(濡れたまま置くとさびる)研ぎやすく、薄く鋭角に付けやすい
粉末鋼・ハイカーボンステンレス粉末ハイス鋼、高級ステンレス刃物鋼強い刃持ちは長いが、研ぎに時間と砥石の選択が必要

ステンレス鋼は毎日使って流しに置く人向け

量販店に並ぶ家庭用包丁の大半がこのタイプで、クロムに加えてモリブデンやバナジウムを少量入れ、硬さと耐食性を両立させた鋼材が使われます。

濡れたまま数分放置しても変色しにくいので、調理の途中で流しに置く使い方に耐えます。

一方で、同じ「ステンレス」表示の中に、刃持ちを重視した硬い鋼材と、研ぎやすさを重視した軟らかい鋼材が混在しています。

炭素鋼は研ぐ習慣がある人だけが選べる

和包丁や職人向けの製品に多く、砥石の当たりが軽く、研ぎの結果が刃先に素直に出ます。

ただし水気を拭かずに置けば数時間で斑点が出ますし、酸の強い食材を切ったあと放置すれば黒く変色します。

手入れを前提にした鋼材なので、洗って拭くまでを一続きの作業にできるかどうかで選べるかが決まります。

和包丁の産地ごとの違いは堺の包丁の選び方で解説しています。

手入れにかけられる時間から包丁鋼を決める

鋼材は好みで選ぶものではなく、使ったあとに何をするかから逆算すると一つに絞れます。判断の順序は3段階です。

  • 使用後すぐ洗って拭く習慣がないなら、ステンレス鋼に限定する
  • 拭く習慣があり、月に1回以上砥石を使うなら、炭素鋼または硬めのステンレス鋼が候補になる
  • 研ぐのは年に数回で、切れ味の落ちを遅らせたいなら、粉末鋼やハイカーボンステンレスのように刃持ちの長い鋼材を選ぶ

食洗機を使うかどうかも先に決めてください。

鋼材の種類にかかわらず、食洗機の洗剤と高温の乾燥は刃先と柄の接合部を傷めるため、非対応と書かれている包丁を入れてはいけません。

対応と明記されている製品でも、本体は対応で柄は手洗い指定という例があるので、本体表示と取扱説明書で範囲を確かめてください。

刃渡りと鋼材は別の軸ですが、硬い鋼材の長い刃はねじる力に弱いので、収納場所に合わないサイズを無理に使うと欠けの原因になります。サイズ側の目安は三徳包丁のサイズの選び方で解説しています。

同じ鋼材名でも切れ味が違うのは熱処理と刃付けの差

鋼材名は材料の成分を示しているだけで、焼き入れと焼き戻しの温度や時間、刃先をどの角度でどこまで薄く研いでいるかは製品ごとに違います。同じ鋼材を使った2本の包丁で、一方は刃先の角度を小さくして切り込みを優先し、もう一方は角度を大きくして欠けにくさを優先している、ということが普通に起こります。

そのうえ、メーカーが公表する項目もそろっていません。

鋼材名とHRCの両方を出すメーカーもあれば、「ステンレス刃物鋼」としか書かないメーカーもあります。

情報量が違う製品を並べて比べるときは、同じ会社のシリーズ内で比べるのが確実です。

シリーズごとに鋼材を変えている例はミソノの包丁のシリーズの違いで解説しています。

表面の加工も鋼材とは別の情報です。

刃先以外にフッ素樹脂やチタンの被膜を付けた製品は、食材の離れやすさを狙った作りで、刃の硬さとは関係がありません。

こうした加工品の扱いはストーンバリア包丁の特徴と手入れの注意点で解説しています。

包丁鋼が合っていないと出てくる症状

選び間違いは、切れないという形では出ません。

炭素鋼を選んだのに拭く習慣が続かなければ、まず刃に茶色の斑点が出て、進むと小さな穴になり、そこを起点に刃が欠けます。

さびを落とすために研ぎ直すと刃が減っていくので、本来の刃持ちより早く寿命が来ます。

逆に硬すぎる鋼材を選ぶと、冷凍食品やかぼちゃの皮、鶏の関節に当てたときに刃先が線状に欠けます。

欠けた部分は家庭用の砥石では戻しにくく、刃先全体を研ぎ下ろすまで切れ味が揃いません。

軟らかい鋼材なら同じ当たり方でも刃が丸まるだけで済み、数分の研ぎで戻ります。

さらに、研ぐ道具と鋼材が合っていないという食い違いもあります。

粉末鋼のように硬い鋼材は、家庭用のロール式シャープナーでは刃先が削れず、かえって刃先を押し潰すことがあります。

硬い鋼材を選ぶなら、合う砥石を用意できるかを同時に考えてください。

用途ごとの刃の形の違いは包丁の種類と用途別の使い分けで解説しています。

包丁鋼の表示はパッケージの材質欄と刃元で確認できる

紙箱やブリスターパックの製品なら、裏面の「材質」または「品質表示」の欄に、刃体・柄・口金を分けて書いてあります。

刃体の行に書かれているのが鋼材で、「ステンレス刃物鋼」のような区分名だけの場合と、具体的な鋼材名まで入る場合があります。

柄の行にある素材は手入れの条件を左右するので、合わせて見てください。

通販で買うときは、商品ページの仕様表の刃体材質と、刃元の刻印が写った画像の2か所を見ます。

刻印には鋼材名やシリーズ名が入ることがあり、仕様表に書かれていない情報が読めることがあります。

それでも鋼材名が分からない製品は、ステンレスか炭素鋼かだけでも販売店に問い合わせて確認してください。

交換や研ぎ直しを受け付けているかどうかも、同じページで確かめられます。

産地のメーカーは研ぎ直しサービスを出している例があり、長く使う前提なら鋼材と同じくらい判断材料になります。

産地側から見た選び方は岐阜・関の包丁の選び方で解説しています。

よくある質問

鋼(炭素鋼)とステンレス、どちらがよく切れますか

鋼材の種類では決まりません。

切れ方を左右するのは刃先の薄さと研ぎの角度で、どちらの鋼材でも薄く鋭角に研げばよく切り込みます。

違いが出るのは研ぎやすさと刃持ち、さびへの強さです。

研ぐ前提なら炭素鋼、手入れの手間を抑えたいならステンレス鋼という分け方になります。

炭素鋼の包丁は必ずさびますか

濡れたまま放置すれば変色します。

使うたびに洗って水気を拭き、乾いた状態で保管すれば進行は抑えられますが、さびが出たときの手入れ方法はメーカーの取扱説明書に従ってください。

塩素系漂白剤は腐食の原因になるため使わないでください。

鋼材名が書かれていない包丁は避けたほうがよいですか

区分名しか書かない製品もあるので、名前がないことだけで判断する必要はありません。

ただし、ステンレスか炭素鋼かが分からないと保管方法を決められないので、その1点は購入前に確認してください。

シリーズごとに刃材の情報量が違うメーカーもあり、たとえば価格帯の広いブランドの違いはティファールの包丁のシリーズの違いで解説しています。

まとめ

包丁鋼の表示は刃の金属の種類を示すもので、刃の構造表示や表面加工とは別の情報です。

さびへの強さと研ぎやすさ、刃持ちはこの鋼材で決まるため、使ったあとに拭くかどうか、砥石を持つかどうかという生活側の条件から逆算すると、候補は自然に1タイプに絞れます。

同じ鋼材名でも熱処理と刃付けで差が出るので、比べるときは同じメーカーのシリーズ内で見比べてください。

ぜひ本記事の鋼材タイプの表と3段階の判断手順を参考に、自分の手入れの習慣に合う1本を選んでください。

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